説明
379号の主なコンテンツ
(表紙:サンローラン)
◆2017-18秋冬トレンド エクスプレス
素材が重要なキーとなる秋冬シーズン。今年はシアリングと呼ばれる羊の毛皮、カラフルに染めたファー、プリントや刺繍をあしらったモヘア、が大きなトレンドとなりました。人気アイテムであるダウンコートも、オーバーサイズの影響を受け、エッジィに進化している点に注目です。
◆17-18秋冬パリ・プレタポルテ・コレクション
今季のパリコレは会期が例年より1日短縮され、2月28日から3月7日までの8日間に開催されました。宇宙飛行士の制服に着想したシャネルは、会場でロケットを発射させるという大がかなりな演出で話題をさらいました。新しいデザイナーのもと2シーズン目を迎えたディオール、サンローラン、ヴァレンティノ、ランバンの各メゾンは、今季ますます個性を発揮して注目を集めました。ルイ・ヴィトンはルーブル美術館の展示室でショーを行なうという、パリ市あげての企画で華やかにトリを務め、ドリス・ヴァン・ノッテンは今回でメンズとあわせ100回目となるパリコレショーを無事、成功に終わらせました。また、海外デザイナーの参加数が減少傾向にある一方で、巨匠ヨウジヤマモトを筆頭に、イッセイミヤケ、サカイ、アンダーカバー、ツモリチサトほか、日本人デザイナーのコンスタントな活躍ぶりにも注目です。
◆17-18秋冬ロンドン・ファッション・ウィーク
2月中旬とは思えないほど温暖な気候に恵まれた今季のロンドン・ファッション・ウィーク。今年からメンズにウィメンズを統合したポール・スミスが抜けるなど、参加ブランドの顔ぶれに多少の変化が見られましたが、この街ならではの自由な気風と高感度なクリエイションは健在です。“作業着”をクラフトワークで昇華させたクリストファー・ケーン、パターンと素材の研究に情熱をみせたJWアンダーソン、ディズニーとコラボし『ファンタジア』をテーマにしたメアリー・カトランズ。1940年代のフィルムノワールに傾倒するシューズデザイナーのシャーロット・オリンピアは、本格的な短編映画を製作し、市内の映画館で上映。劇中に新作が登場するという心憎いパフォーマンスで、拍手喝采を浴びました。
◆17-18秋冬ミラノ・コレクション
2月22日から27日までの6日間に開催されたミラノ・コレクションは、アレッサンドロ・ミケーレによるグッチで元気いっぱいに始まり、巨匠ジョルジオ・アルマー二の「赤」をテーマにしたコレクションでシックに終幕しました。黒の多いパリとは対照的に、カラフルな色使いを得意とするのがミラノの特徴ですが、そんな中でも今季は特にプラダが、斬新な色と素材の組み合わせで究極のフェミニニティを見せました。クラシックなイメージの強いモヘアのセーターを、蛍光色に染めたり、フリルや刺繍をあしらったりして、新鮮なアイテムへと生まれ変わらせました。著名なイラストレーター、ロバート・マッギニスが描く美女のポートレートプリントも必見です。ポップな色と柄に、極端に長いフリンジを付けてエッジを効かせたエミリオ・プッチは、今季がマッシモ・ジョルジェッティによる最後のシーズンとなりました。他に、フランチェスコ・リッソを新デザイナーに据えた新生マルニ、ブランド創設40周年を迎えたアンナ・モリナーリによるブルマリンなど、話題も豊富です。
◆17-18秋冬ニューヨーク・コレクション
コレクションサーキットのトップを飾るニューヨーク・コレクションでは、今季ニューフェイスが話題を呼びました。ニューヨークを代表するデザイナーブランドのひとつ、カルバン・クラインは、ジル・サンダーとクリスチャン・ディオールで活躍した人気デザイナー、ラフ・シモンズを新たに迎え、パワーアップ。高級リアルクローズの本場、ニューヨークの冷え切ったマーケットを刺激するカンフル剤的存在となることが期待されています。イタリア発祥の高級ランジェリーブランド、ラペルラはライフスタイルブランドを目指し、女性のクリエイティヴディレクターを迎えてコレクションを開催。クチュールブランドのオスカー・デ・ラ・レンタは、今季から若い男女2人組にバトンタッチして、新鮮な風を運びました。
他にも、パリコレ会場に集まったファッショニスタたちの着こなしから、ストリートで受けそうな最新トレンドを分析する「オフ・ザ・ランウェイ リポート」など、コレクションにまつわる情報を豊富なヴィジュアルと共にお届けする、充実の1冊です。
(2017年4月21日発売、A4変型、188ページ・オールカラー、1,440円・税込)
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