説明
372号の主なコンテンツ
(表紙:ヴァレンティノ クチュール)
◆2015-16秋冬パリ オートクチュール コレクション
今季は7月5日から9日までの公式スケジュールに27のブランドが新作発表しました。シャネルは3Dプリンターを使った新種の素材でスーツを立体的に製作。ゴルチエはブルターニュ地方の民族衣装を取り入れ、ディオールは19世紀フランス印象派の点描画技法をプリントやニットに。ヴィクター&ロルフはモデル達に「絵画を着せる」という発想でランウェイをアートギャラリーに変え、ジョン・ガリアーノのメゾン マルジェラはリサイクル素材と立体裁断技術の融合を見せました。また、アルマーニやヴェルサーチ、ジャンバティスタ・ヴァリのイタリア勢、ロシアから初の公式参加となったウリヤーナ・セルギエンコら外国勢も健闘しています。
◆ヴァレンティノ 奇跡のローマ
マリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリ率いるヴァレンティノは、今シーズンに限りパリを離れ、8年ぶりに本拠地ローマに舞台を移して新作を発表しました。パリのオートクチュールウィークが最終日に当たる7月9日夜に、ローマ本社前の広場に特設会場を設けて披露されたコレクションには、歴史と伝統に彩られたローマの街へオマージュが込められました。過去のオートクチュール作品のインスピレーション源となった、市内の名所旧跡10か所を案内するツアーなど、ミラビリア ロマエ(奇跡のローマ)と名付けた3日間にわたるスペシャルイベントは、今季一番の華やかな話題となりました。
◆フェンディ オートフリュール誕生
ヴァレンティノと同じく、ローマ生まれのブランド、フェンディは、カール・ラガーフェルドをクリエイティブディレクターに迎えて50周年となる今年、オートフリュール(高級毛皮)と名付けた記念碑的コレクションを創作しました。今季のパリ オートクチュール ウィークでは、初めて公式メンバーに名を連ね、トリを飾るにふさわしいクリエーションを披露しました。最高品質の毛皮を贅沢に用い、オーダーから採寸、製作まで、オートクチュールと同じ発想で作られるオートフリュールは、7月27日に東京にも上陸して話題に。来日したシルヴィア・フェンディへのインタビューを通して、このスペシャルなコレクションの魅力を余すところなくご紹介します。
◆魅惑のハイジュエリー
今季もパリ オートクチュール コレクション ウィーク中に、ヴァンドーム広場を中心とするハイジュエラー各社が新作を発表しました。中でも、質、量ともに最も大きなスケールで老舗ならではの底力を見せたのは、ブシュロンとヴァン クリーフ&アーペルです。メゾンとゆかりの深い”インド”にテーマを探ったブシュロン、”海”のブルーを基調に、プレシャスストーンをふんだんに用いたヴァン クリーフ&アーペル。両メゾンのクリエイティブディレクターへのインタビューを通して、新作に込めた思いや、ハイジュエリー界の現状を探ってみました。
◆シャネル クルーズ コレクション in ソウル
毎年恒例のシャネルのクルーズ コレクション。今年は5月4日に、韓国ソウルで開催されました。カール・ラガーフェルド率いるシャネルのクリエイティブチームは、韓服や工芸品など地元の伝統的なものと、現代韓国の若者文化やストリートファッションを存分に研究して、色鮮やかなカラーブロックが特徴のユニークな作品に仕上げました。会場となった東大門デザインプラザには、K-Popスターをはじめ、シャネルの新作をおしゃれに着こなした国内外のセレブが大集結し、大賑わいをみせました。
他にも、パリコレ会場に集まったファッショニスタ達のおしゃれスナップ集「オフ・ザ・ランウェイ リポート」、オートクチュールの舞台裏を紹介する「バックステージ リポート」など、コレクションやデザイナーブランドにまつわる様々な情報を網羅した充実の1冊です。
(2015年8月21日発売、A4変型、212ページ・オールカラー、1,440円・税込)