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2019年春夏 パリ プレタポルテ コレクション レポート①


2019年春夏 パリ プレタポルテ コレクション レポート①

Photos/Mika Inoue、Hirokazu Ohara
Reports/Yachiyo Yamaguchi

9月24日に開幕した2019年春夏パリファッションウィーク(プレタポルテ コレクション)。10月2日までの9日間に78ブランドが公式参加し、ファッションショーやプレゼンテーションを市内各地でおこなった。

 

開催前から最も話題を集めたのは、エディ・スリマンがクリエイティブディレクターに就任して初のコレクションとなるセリーヌ。開催5日目の夜20時半から、パリの中心地にあるアンヴァリッド(廃兵院)前の広場に構えた特設会場には、招待客から野次馬まで大勢の人が押し寄せた。細身のジャケットにマイクロミニ丈のスカートは、エディ・スリマンらしいスタイルとしてファンからは歓迎されたが、前任のフィービー・ファイロが築いた、大人の女性向けのブランドイメージを大きく変換したため、業界からは悲嘆の声が相次ぎ、評価は賛否両論に分かれる結果となった。

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エディ・スリマンの後を引き継いで2017年春夏にデビューしたアンソニー・ヴァカレロによるサンローランは、ここ数シーズン、エッフェル塔をバックに新作を披露している。開催2日目の夜20時、トロカデロ広場の噴水に特設テントをもうけ、西海岸の夜の風景を連想させる白いパームツリーのセットに、エッフェル塔も白いライトアップでロマンティックな気分を盛り上げた。地面に張られた水の上を、ショートパンツにチャンキーな厚底サンダルを履いて、水しぶきをあげながらモデルたちが闊歩する。シルクブラウスのボウタイが風になびいて、カンカン帽や星のモチーフなどウエスタン調の着こなしに、フィナーレはブラックタイを水着にアレンジした大胆なスタイルで締めくくった。

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アレッサンドロ・ミケーレによるグッチは、フランス文化に影響を受けた「フランス3部作」の最終章として、今季に限りミラノからパリへ移した。会場はパリ市に数多ある劇場の中でも、とりわけファッション業界人に愛されてきた9区のテアトル・ル・パラス。ショーの中盤には、スペシャルゲストのジェーン・バーキンが客席からライブで歌を披露する一コマも。

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オフホワイトのヴァージル・アブローは、今年の全米オープンテニス女子シングルスでセリーナ・ウィリアムズのチュチュ付きウェアをデザインし、話題を呼んだばかり。ルイ・ヴィトンのメンズも兼任し、注目を浴びる中にあって、自身のコレクションもシーズンを追うごとに品質向上している。

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「希望、恐怖、平穏、虚無感という4つの感情の間で、私の心は常に揺れ動いている」と語るリック・オウエンス。そんな心の中の“カオス”を表現した。ショー中盤から、舞台中央の三角の塔に突然火がつき、激しく炎が燃え上がる演出で驚かせた。

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