9⽉11⽇に開幕したニューヨークから、ロンドン、ミラノを経て、10⽉7⽇に閉幕したパリまで、
27⽇間にわたって開催された2026年春夏プレタポルテ コレクション。
今シーズンはコレクションの歴史の中でも稀に⾒る「⼤変⾰の年」。
現代のラグジュアリーファッションを代表するブランド各社が新しいデザイナーを迎えてイメージを刷新した。
CHANEL(シャネル)
新アーティスティックディレクターのマチュー・ブレイジーは1984年⽣まれのベルギー系フランス⼈。ミラノのボッテガ・ヴェネタで活躍した実績が認められ、パリを代表するメゾン、シャネルに抜擢された。カール・ラガーフェルド以来の⼤きな⼈事として注⽬を集めているマチューは、ショー会場を⾊とりどりの惑星が輝く宇宙に演出して、ブランドを象徴するツイードのスーツなどをリラックスしたシルエットと⼿の込んだディテールで表現。創始者ガブリエル シャネルのエスプリを守りながら、新時代に相応しい⾃由な⼥性像を描き出した。

DIOR(ディオール)
ディオールのウィメンズ、メンズ、オートクチュールの全部⾨を新たに指揮するのは、ロエベで⼀躍⼈気デザイナーとなったアイルランド出⾝のジョナサン・アンダーソン。ムッシュ・ディオールが⽣み出した、パリらしいエレガントなエッセンスを、デニムやニットなどの現代アイテムへと落とし込んで表現した。アイコンのバージャケットには彫刻のようなリボンのモチーフをあしらい、⼤航海時代の指揮官の装いに着想を得た⼤ぶりのハットをコーディネートしたルックは、今まさに⼤海原へと冒険の⼀歩を踏み出したジョナサンの勇姿を表しているかのよう。

BALENCIAGA(バレンシアガ)
新任のピエールパオロ・ピッチョーリはヴァレンティノで功績を残したイタリア⼈。前任のデムナが、オーバーサイズでユニセックスなストリートアイテムを積極的に取り⼊れてブランドイメージを若返らせたことに敬意を表しながらも、ピエールパオロらしい優れたバランス感覚を発揮して、メゾン本来のクチュールの魅⼒を存分にアピール。ルーズなT シャツにフェイクフェザーのロングスカート、クロップトップとローライズボトムで作る肌⾒せスタイルなど、モダンなリアルクローズに貴族的なフェミニンさを漂わせた。

LANVIN(ランバン)
英国出⾝のピーター・コッピングはセントラル・セント・マーチンズとRCA(ロイヤルカレッジ・オブ・アート)というロンドンの名⾨2校を卒業したファッション界におけるエリート中のエリート。パリではニナリッチのクリエイティブディレクターとして5 年間活躍した経歴から、すでに名の知れた存在。「136 年の歴史を持ちながらも、まだまだ未知なランバンの歴史を現代に語り継ぎたい」と意欲的なコレクションを発表。メゾンを象徴する⾊・ブルーのトーンを新たな解釈でリニューアルして新⽣ランバンをアピールした。

LOEWE(ロエベ)
ニューヨーク出⾝のデュオ、ジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスは、共に⽴ち上げて成⻑させた⾃分たちのファッションブランド、プロエンツァ・スクーラーを売却して、ロエベで得た新たな仕事に専念。夏の浜辺を彩るビーチパラソルのようにカラフルなストライプのドレスや、バスタオルを巻き付けたようなストラップレスのドレス、ダイビングスーツ素材を⽤いたテーラードジャケットなど、ひねりの効いたアイテムが都会的なスタイルとなって登場した。






