Loading

新着記事

2025-26 automne-hiver Paris Haute Couture Collections 見どころを解説!25-26秋冬オートクチュール

服の仕立てから装飾、靴や帽子などの小物まで、身につけるもの全てが職人の手作業で仕上げられるオートクチュール。
刺繍が施されたきらびやかなドレスだけでなく、シンプルで飾り気のないスーツも、熟練職人たちの魂がこもった作品は独特の存在感を放っている。
7月7日から10日の4日間に27ブランドが公式参加した今シーズンは「ディオール」「ゴルチエ・パリ」が不参加、「シャネル」もデザインチームによる発表と、正会員のメゾンが軒並み消極的な姿勢だった一方で、クリエイティブなアイディアで勝負する個性派デザイナーたちにスポットが当たった。

1「メゾン マルジェラ アーティザナル」

ジョン・ガリアーノの後任として今年1月に就任したグレン・マーティンス(42歳、ベルギー出身)によるデビューコレクション。
透かし編みのニットドレスのように見える作品は、カラフルなビーズやチェーンネックレスをつなぎ合わせて出来たもの。廃材を利用し、新しい服へと生まれ変わらせるアップサイクルでの手法は、創始者マルタン・マルジェラの精神を受け継いでいる。

2「ヴィクター&ロルフ」

確かなクチュールの技術と風刺に富んだ作風で人気のアムステルダム出身のデュオは、上流階級の“羽根飾り”と、庶民的な“ダウンコート”の2つのアイテムから着想を得た。
羽根を詰めてボリュームを出したドレスが登場すると、その後に、詰め物を取り除きボリュームダウンした抜け殻のようなドレスが続く。
同じ服なのに羽根があるかないかで全く違ったものに見える演出は、何事にも裏表や光と影があるという普遍の真理を語っている。
ゴージャスなフェザーのヘッドドレスにも注目。

3「スキャパレリ」

1920〜40年代のパリで活躍したイタリア貴族出身のクチュリエール、エルザ・スキャパレリ。シュールレアリスム全盛期にアートを取り入れた奇抜な服で一世を風靡した女性創業者のエスプリを、アメリカ人デザイナーのダニエル・ローズベリーが現代に蘇らせている。
闘牛士の衣装にインスパイアされたスーツには、豹柄のメタリックな刺繍が施され、このメゾン特有の華やかさを表現。

4「バレンシアガ」

クリエイティブディレクターを10年間つとめたデムナによるラストシーズン。
19世紀のパリで花開いたオートクチュールの伝統を、バレンシアガ社の職人と、老舗の扇子メーカー「Duvelleroy(デュヴェロワ、1827年創業)」など外部アトリエとの協業を通して、現代のファッションとして再生する手腕はお見事だ。創始者クリストバル・バレンシアガが得意とした構築的なシルエットを、スキューバサテンなどのハイテク素材を使って再生。
東欧の国ジョージア出身のデムナにとってキャリアのスタートとなった思い出深い街、パリにオマージュを捧げるコレクションに。

バレンシアガのアトリエ内部や製作風景などをおさめた貴重な動画も公開された。

PAGE TOP